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専門治療・検査

大動脈弁疾患

心臓弁膜症とは?

心臓は、休むことなく1日に約10万回収縮・拡張を繰り返し、体のすべての蔵器に血液を送るポンプの働きしています。血液の流れは一方通行であり、有効に送り出すためには逆流防止装置、すなわち弁が必要です。この弁が正常の機能不全の病態を総称して心臓弁膜症といいます。

弁が正常に働かなくなった状態には、次の2つがあります。

  • 狭窄症:弁が硬くなって十分に開かず血流を阻害するもの
  • 閉鎖不全症(逆流症):弁が閉じるとき、うまく合わされず血液が逆方向に漏れる。

これらが同時にみられる(狭窄兼閉鎖不全症)場合もあります。

大動脈弁狭窄症

左心室の出口にある大動脈弁は通常3弁尖からなり、まれに2つしか弁尖がないこともあります (1-2%)。大動脈弁にリウマチ性変化や動脈硬化による石灰化が起こってくると弁の動きが悪くなり次第に出口が狭まってきます。

適常、弁口面積が半分以下になると、全身への血液が送りだされにくくなり、その結果 左心室は肥大し (左心室の筋肉が分厚くなる)、ポンプの機能は次第に低下します。

病気が進行しているにもかかわらず長い期間自覚症状が出現しないか軽度のままであることが多く、突然死などが他の弁膜症よりも多くみられます。

重症になると失神や、胸を締め付けられるような痛み(狭心痛)、呼吸が苦しくなる(心不全)などの典型的な症状がみられます。これらの自覚症状が出現しても治療せずに放置すると2-3年で死に至り、早期に手術が必要です。

大動脈弁狭窄症 原因 症状 病態

大動脈弁閉鎖不全症(逆流症)

大動脈弁の逆流が生じる原因は弁尖自体に異常と弁を支えている大動脈の異常の2つがあります。左室から駆出された血液が再び左室に逆流することにより左室が大きくなり、また、逆流してきた血液も通常よりも余分に送り出さなくてはならなくなり、左室の負担が増大します。

初期の間は左室の心筋と容積が大きくなりバランスが取れていますが、その後ゆっくりと心臓の機能が低下し、長期間 無治療であると大動脈弁狭窄症と同様の症状が出てきます。通常、これらの変化は慢性的にゆっくりと進行しますが、急激に大動脈弁の逆流が生じたときは、急速に心不全となり、生命の危険がありますので早期の手術が必要となります。

大動脈弁閉鎖不全症 原因 病態

手術方法

手術は喉の下方のくぼみからみぞおちまで皮膚を切り、その下の胸骨をたてに切開し心臓を露出します。手術終了時は胸骨を金属ワイヤーで固定します。金属ワイヤーは問題ない限り、そのままです。大動脈弁膜症の手術は基本的には弁置換術(異常のある弁を取り除き 人工弁に取り換える)手術を行います。手術は人工心肺装置を装着し、心臓を止めて行います。

人工弁

人工弁には生体弁と機械弁の2種類があります。それぞれ長所と短所がありますが、手術時の年齢や合併疾患の有無などを考慮して人工弁を選択しています。

人工弁 機械弁 生体弁

機械弁

パイロライトカーボンという炭素素材で作られたもので、 最大の長所は優れた耐久性です。機械の故障などで再手術が必要となる可能性は極めて低いのです。 しかし、 欠点として血栓が機械弁に付いてしまい、弁の開閉を阻害したり、血栓が遊離し塞栓症(脳梗塞など)を起こすことがあります。

血栓予防に、血液が固まりにくくする薬(ワーファリン)を生涯飲み続ける必要があります。

この薬は、調節が容易ではなく定期的に採血による効果の判定が必要です。薬の効果が不十分であれば血栓を生じ脳梗塞になったり、逆に 効きすぎれば歯肉出血、鼻出血、関節内出血、脳出血等の副作用が出てくる可能性があります。

生体弁

生体弁は、 豚の大動脈弁またはウシの心臓を包んでいる袋(心膜)に特殊な処理を加えたのち、作られた弁です。

最大の特徴は抗凝固療法(ワーファリンの内服)が不要であることです。

しかし、 欠点として耐久性に問題があります。一般的に活動性のある若年者ほど弁の傷み(劣化)が早くおこりと言われています。現在の生体弁では、様々な改良が施された結果、約15-20年の耐久性があるといわれています。人工弁の選択の際には、手術時の年齢、生活様式、人生観など患者さん個々と十分考慮し決める必要があります。

生体弁の種類

大動脈弁に対する手術

大動脈弁の手術 ・弁の異常に対する手術 ・大動脈基部の異常に対する手術

人工弁置換術

通常、大動脈弁閉鎖不全症では患者さんの体格に見合ったサイズの人工弁を植え込み可能ですが、大動脈弁狭窄症の患者では土台となる弁輪が狭く 適切なサイズの人工弁が入らない場合、弁輪を拡大する手術を追加する場合があります。また、上行大動脈が拡張し大動脈瘤になっている場合、破裂の危険性がありますので、この部分を同時に人工血管に置換することがあります。

人工弁の選択は、基本的に65歳以上では生体弁を、65歳未満では機械弁を推奨しております。

Ross手術

患者さん自身の肺動脈弁を摘出し、 人工弁の代わりに自分の肺動脈弁を用いて大動脈弁置換術を行う手術(ロス手術)があります。一般的には抗凝固療法が不要で耐久性にも優れ、また 弁の成長も期待できますので こどもさんに行うこうが多い手術です。しかし、大動脈弁と肺動脈弁の2つの弁を操作しなければならないため手術侵襲が高く、患者さんに大きな負担を与えることがあります。

Ross手術 自己肺動脈弁を用いて大動脈弁置換術を施行

ベントール手術

人工血管と人工弁を組み合わせ、大動脈弁から上行大動脈までを置換し左右の冠動脈(心臓を影要する血管)をつなぎなおす手術です。大動脈基部に対する手術として現在もっとも多く行われている手術です。人工弁に置換するため、生体弁の耐久性の問題や 機械弁の抗凝固療法に関連した問題があります。

Bentall手術

自己弁温存基部置換術

大動脈弁そのものには病気がないのに、弁の支え部分である大動脈基部が拡張しているために大動脈弁閉鎖不全症に対して、正常である大動脈弁を残して、病変のある大動脈だけを取り換えることにて逆流を治そうという手術です。ベントール手術の人工弁に関連した諸間題を克服できる手術として開発されました。現在2通りの手術方法(リインプランテーション法、リモデリング法)があります。

手術の方法は、病気である大動脈基部を正常な大動脈弁を残してすべて切除し、人工血管を左心室に縫い付けて、左右の冠動脈をこの人工血管に縫い付けるという複雑で時間のかかる手術です。

また大動脈弁そのものは正常であるということが手術できる条件であり、すべての方に実施できるのではありません。しかしながら人工弁を使わずに自分の大動脈弁を残せるため、術後ワーファリンなどの抗凝固薬を飲む必要がないので非常に優れた方法といえます。

自己弁温存大動脈基部置換術

僧房弁疾患

僧帽弁の構造

僧帽弁は左心房と左心室の間にあり、左心房から左心室に流れた血流が逆戻りしないようにはたらいています。僧帽弁は2枚の弁尖からなっており、これらは腱索というひも状の構造物で左心室内の乳頭筋という筋肉につながっています。左心房からみた僧帽弁は前尖、後尖の2枚から構成されています。

僧帽弁の構造

僧帽弁狭窄症

僧帽弁が狭くなると(僧帽弁狭窄)、体を動かした際の呼吸困難(労作時呼吸苦)やせき、(血)痰などの左心不全症状が出現し、次第に増強します。さらにひどくなると右心不全症状を(食欲不振、倦怠感、下肢浮腫)を引き起こし、早急な治療を要します。また、心房細動という不整脈が合併することが多く、さらに症状が悪化します。原因としては、以前はリウマチ性がほとんどを占めていましたが最近は、リウマチ性弁膜症自体が減少し僧帽弁狭窄症も少なくなっています。

僧帽弁狭窄症

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁の閉まりが悪くなると(僧帽弁閉鎖不全)、徐々に脈の不整や動悸を感じはじめ、全身倦怠感、肺水腫(肺に水がたまること)や心不全(左心・右心)となることがあります。心不全症状を引き起こす前に手術的に治療するのが最適です。原因としては、退行変性や感染によるものが多いですが,心筋梗塞や外傷によるものも見られます。

僧帽弁閉鎖不全症

弁膜症の治療時期と手術の必要性について

心臓は一日に約10万回拍動している血液を送り出すポンプです。従って、その流れをコントロールする弁が少しでも傷むと、そのほころびは急激に広がり、悪化することは容易に想像できると思います。弁が傷むとポンプとしての心臓がより多くの仕事をしなければならなくなり、心臓が疲れ果てる、これが心不全であり、心臓の筋肉そのものも傷めていきます。一度傷んだ心臓の筋肉は元に戻りません。従って、弁膜症の場合、心臓の筋肉が障害される以前に最適な根治術を受けるのが、その後の日常生活の質の改善の点からも最良と言えます。

弁膜症の治療について
内科的治療

内服薬あるいは注射薬で改善できることもありますが、心臓の筋肉が傷み始めている場合は、内科的治療の限界であり、心不全を起こす前に手術を行う必要があります。

外科的治療

大きく分けて、ご自分の弁を修理する方法と、人工弁に取り替える方法があります。
*僧帽弁閉鎖不全症及び三尖弁閉鎖不全症には弁形成術が可能である場合が多く、可能な限り、人工弁を用いない手術を選択します。
人工弁には機械弁と生体弁があります。
機械弁は耐久性に問題なく、30年以上、おそらく一生涯壊れることはないと言われていますが、血液の固まり(血栓)がついて脳梗塞などの塞栓を引き起こすことがあり、これを予防するために生涯、ワーファリンという抗凝固剤を服用する必要があります。
生体弁はウシ心膜を用いた弁で、耐久年数は大動脈弁で10~15年、僧帽弁で10年前後と言われていますが、血栓塞栓の心配はほとんどなく、抗凝固剤も大動脈弁では不要であり、僧帽弁でも術後3ヶ月間は服用していただきますがその後は不要となります。ただし、心房細動などの不整脈がある場合は、抗凝固剤の服用が術後も必要となります。

機械弁 生体弁

僧帽弁疾患に対する手術

手術には人工心肺を使用し、心臓を停止させて手術をします。傷は、通常、胸骨正中切開で行いますが、最近では、右胸の小さな傷で行う低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery:MICS)も積極的に導入しています。

御本人の弁を残す場合

僧帽弁閉鎖不全の場合、御本人の弁を残したまま修理出来る場合があります。(僧帽弁形成術)

人工弁を使う場合

御本人の弁が修理出来ない場合、人工弁に取り替える手術を行います。機械(カーボンで出来た)弁と生体(ウシやブタの心臓の膜から作った)弁があり、年齢や合併症などの全身状態に加えご本人の希望を考慮して決定します。

追加手術について
三尖弁輪縫縮術

三尖弁輪が大きくなって、弁の閉まりが悪くなっているとき、弁の周りや一部を縫い縮めることがあります。

冠状動脈バイパス術

心臓を栄養する動脈に、狭いところやつまったところがあり、狭心痛が認められる場合。

メイズ手術

弁膜症に心房細動という不整脈を合併している場合があります。こうした患者様の術後の生活の質を高めるため、弁形成術や人工弁置換術と同時に不整脈に対する手術(メイズ手術)を積極的に行っています。最近では、高周波による焼灼法を応用して手術侵襲を軽減することによって良好な成績が得られています。

僧帽弁手術の模式図

僧帽弁置換術 僧帽弁形成術

三尖弁疾患

心臓弁膜症とは?

心臓は、休むことなく1日に約10万回収縮・拡張を繰り返し、体のすべての蔵器に血液を送るポンプの働きしています。血液の流れは一方通行であり、有効に送り出すためには逆流防止装置、すなわち弁が必要です。この弁が正常の機能不全の病態を総称して心臓弁膜症といいます。

弁が正常に働かなくなった状態には、次の2つがあります。

  • 狭窄症:弁が硬くなって十分に開かず血流を阻害するもの
  • 閉鎖不全症(逆流症):弁が閉じるとき、うまく合わされず血液が逆方向に漏れる。

これらが同時にみられる(狭窄兼閉鎖不全症)場合もあります。

三尖弁疾患
原因

狭窄症;頻度は低い,ほとんどはリウマチ性が原因となります。
閉鎖不全症;僧帽弁弁膜症により二次的に発生したものがほとんどを占めますが、時に細菌性心内膜炎,Ebstein病(先天性心疾患)があります。

症状

頸静脈の怒張、下腿浮腫、肝腫大、腹水など 右心不全症状を呈します。

三尖弁閉鎖不全症の病態

三尖弁手術

先天性心疾患以外の場合では感染性心内膜炎や外傷によるものを除いて三尖弁だけが病気になることは非常にまれです。重症の僧帽弁疾患や大動脈弁疾患に続発しておこる三尖弁閉鎖不全症がほとんどです。この原因は右心室が拡大することにより三尖弁の弁輪が拡大し、弁の合わさりが悪くなって逆流が起こってきますので、人工弁輪を使用した弁の修復を行います。

しかし、それだけでは 逆流が制御できない場合、人工弁に置換する手術を行うことも非常に稀ですがあります。

人工弁輪(リング)

低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery:MICS)

低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery:MICS)

従来の心臓手術は、胸骨正中切開という首のつけねからみぞおちまでの大きな傷をあけて胸骨を全長にわたって切断して手術をしていました。このアプローチの利点は、良好な視野のもとに確実な心臓の手術ができるというものですが、一方では患者さんにとっては、術後の創部の疼痛のために社会復帰に時間がかかったり、胸骨の胸骨骨髄炎(縦隔炎)などの命にかかわる感染症がまれに起こることがあります。

これに対して、患者さんの負担を軽減するために開発されたのが低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery:MICS)です。MICSには、大きく分けて小さい皮膚切開で人工心肺装置を用いずに冠動脈バイパスをするMIDCAB(Minimally Invasive Direct Coronary Artery Bypass)と人工心肺装置を用いて小さな切開で弁膜症の手術をする二つがあります。

MIDCABは、人工心肺を用いずに心拍動下に左内胸動脈(LITA)と左前下行枝(LAD)をバイパスする手術です。創は、左前胸部に約7cmの小切開を加えて行います(図1)。LITAグラフトは小切開創から専用のリトラクターを用いて採取します。創が小さく人工心肺僧装置も用いないので侵襲が少なく、疼痛も軽減され早期の退院や社会復帰も可能となりますので、高齢者やリスクの高い患者さんにもやさしい手術になっています。

一方、MICSによる弁膜症手術の対象となる主な疾患は、重症の僧帽弁閉鎖不全症や大動脈弁狭窄症などがあります。僧帽弁の手術は、右胸の約7cmの小切開でアプローチしていますがMICS用の手術器械が進歩していますので、通常の胸骨正中切開のアプローチと遜色なく弁形成術や弁置換術ができます(図2)。また、大動脈弁の手術は、胸骨上部の部分切開でアプローチしていますが、胸骨を全部切断しないので、術後の回復も早く疼痛も少ないので入院期間も短縮されています。

MICSには1) 傷が小さく疼痛が少ない、2) 傷の治りが早い、3)早期退院、早期社会復帰が可能、4)美容的に傷が目立たない、5)術後感染の低減(縦隔炎の発生が少ない)、6)医療費の削減につながる 等の多く利点があり、高齢者やハイリスクな患者さんにも負担が少ない手術になっています。当センターでは、MICSを積極的に導入していますので、お気軽にご相談あるいはご紹介いただければと思っております。

図1.低侵襲冠動脈バイパス術(MIDCAB) 図2.僧帽弁形成術の術後の創部の比較

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