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病院のご案内

高齢者脳機能治療室

神戸新聞 平成24年5月5日

ひょうごの医療
シリーズ21 認知症
(1)薬物療法
 記憶や判断など脳の知的な能力を「認知機能」という。認知症とは、何らかの原因でその認知機能が妨げられ、中核症状として記憶障害、失語や失行などが起き、日常生活に支障が出る状態だ。妄想や幻覚、攻撃的な言動など、心理的、行動的な異常の周辺症状(BPSD)が出る場合も。原因となる病気には、多くの種類がある。
 認知症の発症率は加齢とともに高まり、85歳以上では4人に1人以上が患者という統計もある。国内の推計患者数は200万人以上。原因別で半数を超えるといわれるのが、アルツハイマー型というタイプだ。異常なタンパク質が長い年月をかけて脳に蓄積され、その後に神経細胞が傷つき、記憶などの機能が低下していくと考えられている。
 根本的に治すことはできないが、薬物治療を早く始めれば、中核症状の進行を遅らせられる可能性が高まる。ただ、「年のせい」とされて単なる物忘れとして放置されることも多く、早期診断・治療が課題となっている。

■海馬が萎縮
 姫路市の山際早苗さん(84)=(仮名)=は2010年ごろから、記憶障害が見られるようになった。話している内容と、実際の行動に大きな差が出るようになった。
 自営業に長年携わりながら家事や子育てもこなしてきた自負があったという山際さん。それまで身の回りの事は自分でできていただけに、家族は病的な変化だと感じた。そこでかかりつけ医から紹介され、昨年2月、兵庫県立姫路循環器病センター高齢者脳機能治療室(姫路市西庄)を受診した。
 同センターは現在、認知症診断・治療の地域拠点として県などが指定する「認知症疾患医療センター」でもある。主治医となった同治療室の小田陽彦医長によると、山際さんには問診や心理検査、磁気共鳴画像装置(MRI)による脳検査などを実施した。
 心理検査では、当日の日付を尋ねるなどして認知機能は調べるミニメンタルテストを含め、2種類を行い、結果はいずれも認知症の疑いが出た。MRI検査では、脳梗塞や脳出血などは確認できなかった一方で、脳で記憶をつかさどる「海馬」に萎縮が目立ったため、アルツハイマー型認知症と診断された。

■異なる効き方
 山際さんが診断された段階では、記憶障害など中核症状の進行抑制を目指す薬は脳の神経細胞間で情報を伝える物質「アセチルコリン」の減少を抑える「ドネペジル」(商品名アリセプト)しか承認されていなかった。まず副作用の有無を見るため通常より少量を1日1回、2週間服用。目立った副作用がなく、その後は通常の量を飲むことになった。
 しかし、記憶障害などの悪化は止まらなかった。調理などの家事ができなくなり、金銭や薬の管理も難しくなった。薬は家族が管理し、飲ませるように。要介護認定も受け、デイケアなどの介護サービスを利用した。
 昨年7月、山際さんは家族の付き添いで再び来院。「家族が勝手に通帳や印鑑を片付けた」と家の中を捜し回ったり、家族に怒りっぽくなったりするなど、新たな症状が現れたという。一般的に、アルツハイマー型は進行するほど脳神経が傷ついているため回復が難しく、薬が効きにくい。山際さんの場合も、薬の効果は不十分だと判断された。
 一方で昨年、アルツハイマー型に対し、3種類の新薬が相次いで発売された。ドネペジルと同種の効き方をする「ガランタミン」(商品名レミニール)」、「リバスチグミン」(商品名リバスタッチパッチ、イクセロンパッチ)とともに、同6月には、記憶に関わる神経伝達物質が神経細胞に対し過剰な刺激を与えることを抑える「メマンチン」(商品名メマリー)も登場した。ドネペジルなどとは効き方が異なるため、併用が可能だ。
 このため、小田さんは「追加でメマンチンを飲んでもらおう」と判断。少量の投与で目立った副作用がないことを確認しながら、その後は通常量の投与を続けてきた。
 その結果、依然より言葉がはっきり言えるようになった。意思を示し、論理的な話もするようになったという。一時は家族を困らせた、外出先から自宅へ不要な電話をかけるような行動もなくなった。
 ただ、海外では2剤併用が必ずしも有効ではないという報告がある。小田さんは「全てのアルツハイマー型患者に2剤併用を勧めるわけではないが、単独の薬では効果が不十分な場合、一つの選択肢になってきている」と話す。

【正常な物忘れと認知症の主な違い】
  正常な物忘れ 認知症
原因 老化 脳の病気
特徴 出来事の一部を思い出せない。
ヒントを言われると思いだせる。
出来事そのものを忘れる。
ヒントを言われても思い出せない。
物忘れ以外の症状 ほとんどない 現れる
性格変化 ない しばしばある
物忘れの自覚 ある ない(ごく初期はある)
日常生活 支障はない 支障がある
時間の経過による進行 ない ある
【アルツハイマー型認知症の中核症状に対する薬】
一般名 ドネペジル ガランタミン リバスチグミン メマンチン
発売年 1999 2011 2011 2011
効き方 アセチルコリンを分解する酵素の働きを阻害。アセチルコリンの減少を抑制。 神経細胞への過剰刺激を抑制。
適応 軽度から高度 軽度と中等度 軽度と中等度 中等度と高度
特徴 軽度、中等度、高度全てに使える 1日2回投与 貼り薬 効き方が他の3種と異なり併用可能
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